週末は雑木林に囲まれて

八ケ岳に魅せられて、週末は八ヶ岳南麓で暮らしています。東京と行ったり来たりの暮らしの中で感じたことや考えたことを綴ります。

やってしまったギックリ腰

 

個人的に大きなプロジェクトが一段落し、

世の中的には猛暑が続く。

こうなったら雑木林の中で1週間ほど人生の楽園をしようではないかと、

金曜日に八ヶ岳に一人向かいました。

やることは山のようにあります。

この1週間、いつ何をやろうか・・・

1週間の夏を完璧に過ごしてやろうではないか!

疲れがたまっていたせいか喉が痛かったのですが

金曜の夜はパブロンSゴールドWをワインで流し込み

早々にベットにつきました。

(ちょっと風邪っぽいかな・・・というときは

このパブロンSゴールドWがマジで効きます)

 

そして翌日、完璧な夏の高原の朝。

コーヒーを飲みながら庭先にでて

僕だけの完璧な夏休みのウォーミングアップを兼ねて

何気なくツンツン伸びた笹竹を抜こうとした瞬間、

背中にパキンと激痛が走りました。

 

やってしまったあああ・・・!!

 

9回目のギックリ腰。

 

実は僕は2年に1回ぐらいの割合でギックリ腰をやります。

疲れがたまりにたまってそれが解放されたとき、

悩みや不安から抜け出せなくなって気力が失せてきたときに、

だいたいなります。

(もういつなるか想像つきます)

注意不足でした。

木漏れ日がまぶしい雑木林を目の前に

つい我を忘れてしまいました。

とっさに目の前の壁に手を突き、

気力を振り絞って立ち上がりリビングに入り、

壁伝いにカニ歩きをしソファまで来てなんとか体を横にしました。

 

ギックリ腰といっても人によって程度も様々なようです。

が、僕の場合完全ノックアウト型。

横になったらもう1~2日ほど全く体を動かせなくなってしまいます。

例えば横を向いて寝ている姿勢から

肘で30度ほど上半身を起こす、なんてことをしようとした場合。

(よくベッドでタバコを吸うシーンなんかにあります)

ここに到達するまでには

痛くならないようなポイントを

ミリ単位で探しながら、

何度もやり直しを繰り返し、

呼吸に気をつけ、汗まみれになり、腕の筋肉を震わせながら

なん十分もかかるのです。

少しほっとしながらも、

しかし問題はこれからどうするか?

ということに頭を巡らせました。

寝転びながらさっきまでいた庭を撮ったら

なんだか遠くて淋しい庭になっていました。

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自らの経験値をもとに、

最初に寝込んだ場所に必要なもの・やるべきことを僕は知っています。

 

①携帯電話(すぐ誰かに連絡が取れること)

→4年前の夏、同じようにうだるような猛暑の中、

房総の山小屋でひとりギックをやってしまった時、

携帯を遠くにおいて連絡がとれず、熱射病になりかけ、

死んだんじゃないか?と思って翌日長男が来てくれて

助かった、という事件がありましたので。。。

②2Lの空のペットボトル(おしっこ用)

→トイレが一番の難関となります。

4年前の時はに横になったまま

たまたまあったこれに用を足し難を逃れました。

③水(水分補給用)

→②と相反するのですが、水分の新陳代謝は欠かせません。

特に夏場は大事です。

④絶食する

→トイレで座るのが本当に大変です。

ですので食事を絶ちます。

 

今回はまだ生活の準備も不十分な新しい山小屋で

まさかやるとは思っていなかった(いつもそうですが)ギックリ。

②の空のペットボトルと③の水は手元にありませんでした。

5時間もするとじわりと尿意が・・・。

ふとんや服があったらそれにしみこませてしまうか・・・

とも思ったのですが、それすらない。

なんとかしてトイレに行かなくてはならんのです。

そこから立つことへの格闘が始まりました。

角度を微妙に変える、体重移動を変える、

支点を変える、ときどき深呼吸をする、

トライ&エラーを重ね

ようやく壁に手をついて立てるまでに30分。

さらにそこからトイレに行くまでが疲れます。

ヨチヨチなんて歩けません。

パンツひとつで壁ドンしながらハアハア言って

汗まみれになって1センチ単位で足を運ぶその姿、

少なくとも女子中学生や女子高校生には見てほしくないと願いました。

(知る限り、ここにはそのような若い女性がいない、というのが

不幸中の幸いでした)

 

その夜から朝にかけて、2度ほどその苦行をしました。

夏の始めのハーモニー、とばかり

全室開け放ったすべての窓の外から

セミの鳴き声や沢の音などが聞こえてきますが、

ただただ苦痛に耐えながら目をつぶり

暗闇が去るのを待ち続けました。

(ギックリさえなければどんなにウイスキーがおいしかったことでしょう!)

 

翌日10半過ぎに妻が駆けつけてくれました。

「今回はひとりでなんとかする」

とは言ったものの、

僕の程度を知る妻としては心配で仕方なかったようです。

あずさに乗って、小海線甲斐大泉まで来て、

そこから30分歩いてきてくれました。

心配かけて申し訳ない。そしてありがとう。

 

で、元気な妻に、

「さあ、早く出ないと渋滞するわよ!さっさと立って!」

なんてせかされると、

前よりもシャキっとできるものなのですね。

立ったけどクルマに乗れないだろうと思いましたが、

思いのほか短い時間で、

誰にも見られることなく乗り込むことができ、

12時に八ヶ岳を出て

14:30には東京に戻ることができました。

 

このブログは一夜明け、

台所のコーナーで立ったり座ったり

壁ドンしながら書いています。

二匹の猫が

「このおっさん、いつもと違うぞ?」

みたいな目でジロジロ見てます。

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出勤前、靴下をはこうとして最初のギックリをやってから、

お彼岸のお墓参りで墓前でやったり、

山小屋で蜘蛛の巣を取ろうと手を伸ばした瞬間にやったり、

幸運にも休日にそれがやってくる確率が高いのですが、

その分身近な者の貴重な休日を減らしてしまっています。

幸運なんて言ったら失礼な話です。

 

本当に単身で八ヶ岳を往復する毎日を、

なんて望むのなら、

自己管理とリスク管理、それに覚悟がないといけないのかもしれません。

 

八ケ岳の家の周りにも

一人暮らしの方(特にお年寄り)がたくさんいますが、

あらためてすごいなあ、と思いました。

 

いろいろご心配をおかけしましたが、

ちぇすとー!